遠ざかっていくあの子の足音がつめたく響いていたのも、ほんの一瞬のあいだで、後に残されたのは静かな静かな空間だけだった。 もう夏も終わってしまった校舎には、こんな時間だと暖かく、名残惜しくなるような黄金の夕日など存在しない。 これから暗くなろ…
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