感触の残る思い出の話
あるところに灰色の街がありました。
灰色の街は暗くて、寒くて、安心して寝られる家なんて1つもありませんでした。
道行く人は皆痩せこけ、生命力もなく、よどんだ目をしていました。
今日もまた、一人死にました。
灰色の街に、姉弟がいました。
狩人の姉と、番人の弟でした。
父と母は幻を見聞きする人でした。
姉は毎日たくさんのどうぶつを殺して食糧を得て居ました。
とても強い姉だったので、灰色の街は彼女を恐れて居ました。
弟はいつもどうぶつから家を守っていました。
ただただ静かに待ち続け、襲ってきたどうぶつを逃したことはありませんでした。
姉弟のは両親にペットをもらいまいた。
両親はペットの中にいました。
姉弟は灰色の街にさようならと言いました。
弟は姉におまじないをかけました。
「絶対に、もう”どうぶつ”は殺してはいけないよ。」
姉は弟に約束をしました。
「これからは絶対に傍に居て守ってあげるよ。」
姉弟は確かに明るい世界を望んでいたのです。
しかしそれを手にする資格があるのかどうかは別の話であったのでした。