【学戦】夢日記【転生パロ】
○月×日
私はそこに立っていた。
どこかもわからないが、逃げてはいけなかった。
荒地だった。
誰かが後ろにいた。
その存在だけを感じていた。
○月×日
私は何かを持っていた。
何かもわからなかったが悲しかった。
小さいものだった。
必死にそれを抱きしめて泣いていた。
小さな男の子がひどく憎かった。
私はネックレスを持っていた。
○月×日
私は誰かを見ていた。
彼女はとても可愛く笑った。
美しい金色の瞳が私を見た。
何故かとても不安だった。
○月×日
私は痛かった。
とても痛かった。痛かった。
本当に痛かった。
私は逃げなかった。逃げてはいけなかった。
私は私は
いけない逃げない使命だった義務だった。
それでも私は泣いていた。
私は
○月×日
私は彼女に作っていた。
甘い匂いがした。
○月×日
私は風を感じていた。
荒れた地で、汚れた服で、真っ赤な視界で。
私は生きていなかった。
私はシャーペンを持つ手の動きを止めた。
寝起きのハッキリしない頭でぼんやりとページを見返す。
異常だ。
自分自身の手で書き綴ったこの夢の日記は、異常だ。
やめようか、とも考えた。
・・・いや。
私は首を横に振った。
何か大切なことのような気がするから。訴えられる苦しみは。
机から離れて、鏡に向き直る。
酷い寝癖だ。マヌケ面も良い所だ。これでは彼も呆れてしまう。
何故か彼にだけは呆れられたくなかった。
恋心だろうか、彼に執着した。
可愛くして今日もあの広い建物に足を踏み入れなくては。
「私は 」
いつから私は、この夢に囚われていただろうか