清潔な病室の中で、蝉の声を窓越しに聞きながら、青い空を彼は眺めていた。 ベッドの上で読んだ本は、片脇の机にこれでもかと積み上げられ、彼の暇だった時間を顕著に表している。 がらり、とドアが開いた。 「美春。」 呼ばれた彼は微笑をたたえて扉の前に立…
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