対等な関係についてその考察
この世界はこんなにも広いというのに、人間はそのごく一部にしか触れることが出来ていない。
法と規律が真実に触れるなと警告し、詮索するなとシャッターを下ろす。
愚かな人間の目が研究者の純粋な心を殺し、愚かな研究者の孤独感がその才能を幽閉する。
「こんな悲しいことがあるでしょうか!」
私はこの世界が不思議でたまらなく、この社会が非常にもどかしい。
なぜ、こんなにも人間とは不自由で効率が悪いのか。なぜこのような人間が、今この地球を蝕んでいるのか。
どうしてもっと輝けるはずの人類は、自ら歩みを止めてしまうのか。
理由は明白、人間の恐怖心である。
「私は知りたいのです!」
故に私は、自分と世界と研究材料だけで生きていくと決めた。
それだけで十分だ。世界に謎は溢れ、研究材料に未知は詰まっている。
共有など無価値。知られれば知られるほど、間違いなく私に恐怖心を植え付けていくのだから。
「…私を否定する気ですか。ヒースくん。」
知ってそれでなお、私を遠ざけるのではなく、指摘するのですか。
変わった人。
でも待っていたのです。そういう人を。
「ありえませんね!」
私だって人の子ですから。