無人の館にご注意を
あまりにも長いし終わらないしちょっと都合がこじれまして() 皆の死亡シーンだけでも書きたかったんですね(( 風兎はもう書いたので() 裏話という名の解説もどき: 風兎に図書室の鍵を渡したのは夢兎です。夢兎は扉を無視して部屋に入るなんていチートスキル…
Side.結奈 悠々と地下室のドアを開く兎上さんを見て私は首をかしげた。 絵にかいたような僕様のくせに、周囲の人間を気遣うような意思が見えるような? 気のせいなのだろうか。いや気のせいにするのも失礼な話か? がそう考えてることなんてつゆ知らず兎上さ…
Side.由紀 ノブのなかったドアの先は書斎のような部屋だった。 僕の問いかけに良い返答を返した秋月という少女は中々に素直で使えそうだと好印象を与える。 どうにも僕の存在が気に食わないらしい石水には逆に悪印象を与えておいた。 「・・・よし、東塔里と霧…
新たなる紅い Side.塔里 「・・・お前、なんであんなに平気で仲間を殺したんだ?」 聞くべきではない質問だと思った。だが聞かずにはいられなかった。 自分の見知った、それも同軍の同級生を。ああも簡単に鬼の足止めに使うような奴の近くに居るのは安全なのか…
Side.夢兎 不思議な子もいるものだ、と思った。 俺の横を歩いている実君は俺のことが見えるらしい。それも生者と見間違うくらいにハッキリと、だ。 階段の手すりを破壊した直後、俺は彼に声を掛けられて鍵を風兎に渡したのだ。 中に、鬼が居る事を、知ってい…
意志と思考の相違 Side.塔里 「はあ・・・っ、は、ぁ・・・っ」 荒い呼吸を整えながら俺は周りを見て人数を確認する。 1、2、3、4、5・・・よし。全員居る。 ちらり、と隣の少女を見やる。 こいつ・・・石水の言っていた”戦う”とは本当の事だったのかと。 先程の出…
Side.結奈 「ついたぞ、ここの鍵で間違いなさそうだ」 東さんが扉を開いた。新しい部屋が開いたようだった。 が、私はイマイチ状況がつかめないでいた。 一応空気は読めるので黙ってはいるが正直説明を要求したい。 東さんには何か、仲間が居たようだが? そ…
Side.杏 「えっと、霧野君・・・?」 さっき教えてもらった名前で呼んでみれば、少しだけ反応してもらえた。 どうにか話はしてくれそうで安心した。 先程の、風兎と呼ばれていた少年のように彼らも考えている可能性は捨てきれない。 だがこの状況ではそんな事を…
白い、赤い。 Side.風兎 チャリン、と金属音が耳に入った。音の先を目でたどれば扉の前に鍵が落ちていた。 「1階図書室」と書かれたタブつきの鍵を見て、扉を見る。 ここは1階。この扉の先は・・・・ 鍵穴に金属を差し込む。滞りなく回った手元に違和感を感じな…
透明の戯言 「困ったな」 俺は呟いた。霊体である俺のことは人間は愚か鬼にも見えないようだ。 発言は拾ってもらえることなく空に消える。 これでは何かに気づいても聞いてもらえないし協力するにもポルターガイストを起こすしかできない。 ポルターガイスト…
黒い孤独 Side.結奈 無我夢中で開いた扉の先が真っ暗で、焦ってたら濡れていたらしい床で滑ってこけたのが随分と懐かしいようだ。 恐怖から抜け出したら今度は襲ってくる不安と孤独感でもう頭の中が空っぽだった。 電気をつけて浴室だとわかったそこで私は座…
白い青年は不安を覚える。 自分が死なない、全てを見ることしかできないという立場と心優しい少女の存在に。 自らの体を張って助けることができない。 その事実に。 焦げ色の救済 Side.実 「・・・くっそ・・なんだったんだよアレ・・・?」 真が音を確認しに行った…
赤い少女は息を荒げた。 それは異常なまでの汗だったが、それは体が火照っていたからなのかどうか判断がつかなかった。 どちらかというと、冷や汗と呼ばれる類なんじゃないか? 赤い少女は耳を澄ます。 ・・・・聞こえる、これは。 「・・・・人間の足音。」 灰色の…
「・・・ほんっとにただの遊びかよ・・・」 白い少年は呆れた。 追ってきたこと少しばかり後悔する程度には黒い少女達の目的は普通だった。 「だから言っただろ?疑いすぎなんだよ」 笑って少年の頭を撫でた。 自分の頭を撫でた人物をちらと見て、さらに少年はため…
※学戦で青鬼パロ ※木綿ちゃんの企画とはまた別です 「あったあった!ここっすよ先輩達ー!」 そう言って少女は人里離れた山奥で手を振る。 背後に巨大な館を映らせて。 黒い侵入者 Side.実 始まりは数時間前。 相変わらずのろのろと食事をする友人(?)を目の…